久保ひかる 作品展Ⅰ
開催期間 2013-04-09~2013-04-21
私たちの周りの風景は、その風景を見た時の気分、共にいた人、会話など、様々な要因で大きく変化する。彩られたり、逆に色あせてしまったりする。そして、その人だけが見ることができる、特別な風景となって記憶の中に存在し続ける。美しさ、不気味さ、面白さなどがそこには潜んでいる。
私は、私の記憶にある特別な風景、それに伴う想いを画面につなぎとめたい。「私」「絵の具」「カメラ」「キャンバス」を通して濾過されたモチーフは、私色に彩られ、元の風景とは違うものになっている。そこには新しい風景がある。そして私にその価値を再発見させてくれる。
この作品展ではその軌跡である絵画を展示する。
私だけのものであった風景を展示し、他者に見てもらうことにより、それまでになかった何かしらの感情が生まれ、新しい関係性が生じる。作品を通して、私は他者と想いを共有したり、コミュニケーションをとることができる。それは私にとって最上の喜びである。
私の心象風景でありながらも、見る人の琴線に触れるような、そんな作品を制作し、新しい関係性が生まれる展示にしたいと考えている。
久保ひかる